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100年老舗は25,000社、1000年老舗まで存在する日本

100年以上という定義で見た時に、1912年までに創業した老舗企業は、全国で2万4847社。うち165社が、江戸開府以前(1602年以前)の創業。最古の企業は寺社仏閣建築の金剛組(大阪市)、2位は池坊華道会(京都市)、3位は西山温泉慶雲館(山梨県)。 都道府県別の「老舗輩出率」は、京都府がトップ。以下、山形県、島根県、新潟県、滋賀県と続いています。

業種別では、

清酒製造がトップ(765社)で以下、酒小売、旅館ホテル、呉服・服地小売。老舗企業の数が一番多いのは2328社で、東京都。うち江戸開府(1602)以前の創業は18社、江戸時代の創業は209社、明治時代の創業は全体の9割超にあたる2101社。業種別では貸し事務所業(122社)が最多。以下、大学(64社)、印刷業(39社)、酒類卸業(38社)、高等学校(34社)と続いています。 (以上参照:日本の「老舗」の概要,帝国データバンク調査発表資料,2011)

上記データは、あくまで帝国データバンクに登録している企業の中から抽出されていたものであり、

未登録の企業や家族経営の個人商店を含めると50,000社以上の老舗があるとも言われています。内訳を細かく見ますと200年以上続く企業は、4,000社以上、1000年続く企業は定義によりますが、6社存在すると言われています。 578年創業の金剛組という日本最古の会社は、聖徳太子から四天王寺創建を受注した元祖建築会社ですが、1400年以上続いた会社も、2005年に資金繰りの悪化に伴い経営危機に陥り高松建設の支援を通じ現在は同社の孫会社となっています。企業の経営に関わる身として、誰しも自分の会社が何事もなく平穏に続いて欲しいと願うものかと思います。2005年の国税庁の調べによると10年継続出来る企業は7%に満たず、30年続く企業は0.02%より少ないということですので、企業が続くというのは確率から言っても相当難しいことであり、それは1000年続いてきた名門にとっても例外ではなかったようです。